シェルスクリプトマガジン

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第4回 ストレージを柔軟に管理する(LVMの操作1)

投稿日:2018.04.27 | カテゴリー: 記事

前回は、Linuxなどのストレージを柔軟に管理する仕組み「LVM」(Logical Volume Manager)の利点と、Ubuntu ServerのストレージをLVMで管理する方法を紹介しました。今回は、LVMの特長である、論理ボリュームを拡張してファイルシステムの容量を増やす方法を、Ubuntu Serverを使って実際に試しながら紹介します(図1)。

図1 論理ボリュームを拡張する

ルートファイルシステムを拡張する

物理ディスクを追加し、それを使ってUbuntu Serverのルートファイルシステムを拡張します。第3回「ストレージを柔軟に管理する(LVMの導入)」で解説した手順で、Ubuntu ServerのストレージをLVMに設定してインストールしておいてください。
いったんシャットダウンして電源を切り、ハードディスクなどの物理ディスクを増設します。増設したら、電源を投入してUbuntu Serverを起動します。ここでは、1Tバイトの新品ハードディスクを追加しました。

追加ディスクのデバイスファイル名を確認する

「parted」コマンドと「grep」コマンドで、追加したハードディスクのデバイスファイル名を調べます。「[sudo] taro のパスワード:」のように表示されたら、自分のパスワードを入力します。

基本的に、Ubuntu Serverをインストールしているストレージには「/dev/sda」のデバイスファイル名が割り当てられます。/dev/sda以外の「ディスク」から始まる行を確認します。容量から、追加したハードディスクのデバイスファイル名は「/dev/sdb」と分かります。

第3回 ストレージを柔軟に管理する(LVMの導入)

投稿日:2018.04.20 | カテゴリー: 記事

第1回から2回にわたって、パーティションの分割方法を紹介しました。いくつかのディレクトリーに別々のパーティションを割り当てると、他のディレクトリーから容量の圧迫などの影響を受けることがなくなります。
しかし、容量不足によるシステムやサーバーアプリの停止は免れても、容量不足に陥っているディレクトリーのサイズを簡単に増やせるわけではありません。新しいハードディスク(HDD)などを追加してより大きなサイズのパーティションを作成し、そのパーティションにディレクトリーの中身を丸ごとコピーした上で割り当てし直す作業が必要です。

柔軟なストレージ管理ができるLVM

Linuxには「LVM」(Logical Volume Manager)という仕組みがあります。LVMでは、HDDなどのストレージ内を物理的な区画(物理ボリューム)に分けて、それをいくつか束ねて論理的なストレージとなる「ボリュームグループ」を作成します(図1)。このボリュームグループから必要な容量だけを「論理ボリューム」に割り当てられます。この論理ボリュームは、パーティションと同様に扱えます。

図1 LVM(Logical Volume Manager)の構成

ボリュームグループや論理ボリュームの容量の増減は容易です。容量を増やしたいなら、ボリュームグループに物理ボリュームを追加し、追加したボリュームから必要な容量だけを論理ボリュームに割り当てます。逆に減らしたいなら、論理ボリュームからボリュームグループに容量を戻します。
また、LVMには「スナップショット」という便利な機能があります。ある時点のLVM上にあるデータの状態を瞬時に保存できます。バックアップ用途にも利用できるのでとても重宝します。
今回は、Ubuntu Server上でLVMを扱う方法を紹介します。

第2回 パーティションを分割する(Ubuntu Serverで実施)

投稿日:2018.04.13 | カテゴリー: 記事

前回、別々のパーティションに分けたいディレクトリーを示しました。「/boot」「/home」「/var」の3種類です。今回は、実際にUbuntu Serverのパーティションを分割し、それぞれのディレクトリーに割り当てます(図1)。

図1 パーティションを分割して個々のディレクトリーに割り当てる

分割は、Ubuntu Sertverのインストール時に実施するのが簡単です。そこで、Ubuntu Serverのインストールから始めましょう。以前の連載「UbuntuではじめるLinuxサーバー」の第1回で紹介した方法でインストールメディアを作成してください。そして、同じ連載の第2回で解説した手順でインストールを進めます。図2画面になったら、「手動」を選んでパーティションを手作業で作成します。

図2 パーティションの作成方法を選択する画面

インストール対象のマシンに内蔵または接続されているストレージが自動認識されます。「iSCSIボリュームの設定」と「パーティションへの変更を元に戻す」の間に、そのストレージが表示されるのでそれを選択します(図3)。

図3 Ubuntu Serverをインストールするディスクを選択

ここでは何も書き込まれていないハードディスク(HDD)を利用しているので、最初にディスクの先頭にパーティション情報を保存するためのテーブルを作成します。図4の画面で「はい」を選びます。

図4 パーティションテーブルの作成

第1回 パーティションを分割する(ディレクトリー構成)

投稿日:2018.04.6 | カテゴリー: 記事

Linuxが使用するディスク容量が不足すると、リモートからアクセスできなかったり、サーバーが正しく稼働しなくなったりするなど、重大な問題が起こりかねません。サーバーを安定的に運用するには、何らかの対策が必要です。ディスク容量が足りなくなる前に増設することも一つの方法ですが、まずはLinuxの特徴を生かした対策を施しておきましょう。
Linuxでは、ディレクトリーごとに別々のパーティション(ディスク内の区画)を割り当てられます。パーティションを分けておけば、あるパーティションが容量不足になっても他のパーティションへの影響はありません。よって、システムやサーバーの稼働に重要なファイルを格納しているディレクトリーと、容量が肥大化しやすいディレクトリーを、あらかじめ別々のパーティションに分けておくことで、最悪の事態を回避できます(図1)。

図1 システムのパーティションを分けておく

はじめてのLinuxサーバー運用管理

投稿日:2018.04.6 | カテゴリー: 記事

正常に、安全にLinuxサーバーを稼働させるには、日々の運用管理が重要です。Linux(Ubuntu)サーバーの運用管理に役立つ内容を紹介します。

第1回 パーティションを分割する(ディレクトリー構成)
第2回 パーティションを分割する(Ubuntu Serverで実施)
第3回 ストレージを柔軟に管理する(LVMの導入)
第4回 ストレージを柔軟に管理する(LVMの操作1)
第5回 ストレージを柔軟に管理する(LVMの操作2)
番外編1 長期サポート版のUbuntu Server 18.04 LTS
第6回 ストレージを柔軟に管理する(LVMの操作3)
第7回 ストレージの可用性を高める(RAIDの概要)
第8回 ストレージの可用性を高める(ソフトウエアRAIDの構築1)
第9回 ストレージの可用性を高める(ソフトウエアRAIDの構築2)
第10回 ストレージの可用性を高める(ソフトウエアRAIDの構築3)
第11回 ストレージの可用性を高める(RAIDの運用管理)
第12回 ストレージの可用性を高める(RAIDの復旧)
第13回 ストレージの使用量を制限する(クオータの設定1)
第14回 ストレージの使用量を制限する(クオータの設定2)
第15回 複数のユーザーを効率良く管理する(ユーザー登録)
第16回 複数のユーザーを効率良く管理する(有効期限の制御)
第17回 ネットワークの可用性を高める(チーミング)
第18回 ログを収集する(rsyslogの概要)
第19回 ログを収集する(rsyslogの設定)
第20回 ログを収集する(rsyslogのログメッセージ)
番外編2 Webブラウザーからサーバーへリモートアクセス
第21回 ログを収集する(rsyslogによる一元管理)
第22回 バックアップを取得する(tarコマンド)
第23回 バックアップを取得する(差分と増分)
第24回 定期的にジョブを実行する(cron)
第25回 アクセスを制限する(ACL)
第26回 アクセスを制限する(AppArmor)
第27回 電源障害からサーバーを守る(UPS)
最終回 大切なデータを守る(ディレクトリーの暗号化)

written by シェルスクリプトマガジン編集部

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