前回は「RAID」(レイド、Redundant Arrays of Inexpensive/Independent Disks)の概要、「RAID 0」「RAID 1」「RAID 5」「RAID 6」「RAID 0+1」「RAID 1+0」の構成、「ハードウエアRAID」と「ソフトウエアRAID」などの種類を紹介しました。今回から数回にわたって、Ubuntu Server 16.04 LTSのストレージをRAID構成にする方法、RAIDの監視やストレージの障害検出、障害からの復旧方法を解説します。
今回は、Ubuntu Server 16.04 LTSのインストーラーを使った、ソフトウエアRAIDによるRAID 1、RAID 5、RAID 6を構築する手順です。マシンのファームウエアが「BIOS」なら、Ubuntu Serverのインストーラーからシステムで利用しているストレージを簡単にRAID構成にできるので、それから始めましょう(図1)。
図1 Ubuntu Server 16.04 LTSのインストーラーによるRAID構築
ちなみに、ファームウエアが「UEFI」の場合、ストレージの先頭にある、OS起動用のソフトなどを格納する「EFIシステムパーティション」への障害対策が必要です。このパーティションを含むストレージに障害が発生した状態で、サーバーを再起動すると起動しないことがあり得ます。UEFIのマシンにおけるシステム全体のRAID構築方法は、次回以降に解説します。