シェルスクリプトマガジン

第6回 ストレージを柔軟に管理する(LVMの操作3)

スナップショットを使ってバックアップする

作成したスナップショットを使ってルートファイルシステムをバックアップしてみましょう。スナップショット作成の対象にした論理ボリュームよりも大きな空き容量がある外付けハードディスク(HDD)を用意して「/mnt」にマウントしておきます。バックアップするためのdumpコマンドと、復元のための「restore」コマンドは、Ubuntu Server 16.04 LTSに標準でインストールされていません。次のコマンドで導入します。

ここまで終えたら、dumpコマンドを実行してルートファイルシステムのバックアップをファイル(ここでは「root_2018525」)に保存します。「-0」がフルバックアップを指定するオプション、「-f ファイル名」がファイルに保存するオプションです。

バックアップしたファイルを復元するには、まず復元先となるストレージ(内蔵HDDなど)を用意します。そのストレージをどこかにマウントし、その中に移動して次のコマンドを実行します。「-r」はすべての内容を復元するオプション、「-f ファイル名」は指定したファイルから復元するオプションです。

ちなみに、次のコマンドを実行するとスナップショットから直接復元できます。なお、ルートファイルシステムの場合は、第5回「ストレージを柔軟に管理する(LVMの操作2)」で紹介したように、ルートファイルシステムをシステムと切り離した状態で実行しなくてはいけません。

最後に

今回は、LVMの利点であるスナップショットを紹介しました。次回は、信頼性や可用性を高める「RAID」(Redundant Arrays of Inexpensive/Independent Disks)を解説します。

written by シェルスクリプトマガジン編集部(あ)