シェルスクリプトマガジン

Open USP Tukubaiシンプルレシピ Part1 テキスト編 (前半・帳簿を作る)

Tukubai、それはシェルスクリプトの使い易さを加速させるコマンド群。
前号では、そのオープン版“Open usp Tukubai”を紹介したが、やり残したことがあった。
豊富なレシピの紹介である。
そこで今号と次号の二回に渡り、Tukubaiの、特に実際のコーディングスタイルが分かり易いレシピを特集する。
「シェルスクリプトとは、僅かなコマンドの追加で、こんなにも応用の効く言語になるのか!」と、あなたはきっと驚くことだろう。

written by USPマガジン編集部

本記事は、USP MAGAZINE vol.5(2012年夏号)掲載記事のWEB再録記事(前半部分)です。

後半は2018年1月9日に公開予定です。

本記事掲載のUSP MAGAZINE vol.5は以下リンク先でご購入できます。

準備 Tukubaiを知り、そして始める。

Tukubai は、シェルスクリプトをプログラム開発言語として本気で使うべく作られたコマンド集だ。これを制作したUSP 研究所は実際に、Tukubai を用いて様々な業務システムの開発や開発支援を行っている。
2012 年2 月、このうち使用頻度が高いもの中心に選ばれ、オープンソースとして公開された。それがOpen usp Tukubai である。

シェルスクリプトで開発するのはなぜか

■ なぜシェルスクリプト?
意外に思うかもしれないが、シェルスクリプトは上手に使えば、C 言語並のハイパフォーマンスなプログラムを、C 言語より遥かにラクに作れる。
ヒミツは、Unix システムコールやライブラリーの殆ど素の能力を、Unix シェル自身やコマンド(cat, sed, awk, grep 等々……の馴染みのもの)から直接使える点にある。
Unix システムコールやライブラリーはカーネルに直結しており、コンピューターの本気の性能や堅牢性の恩恵に預かれるのだ。Unixシェルはいわばその上に被さる薄い皮。だから、使わない手はない。

■ なぜTukubai?
しかし、実際の業務アプリケーションやWeb アプリケーションを作ろうとすると、そこで頻出する処理を簡単にやってくれるコマンドがなかなか無い。一般的にシェルスクリプトが開発言語として利用されない理由もここにある。そこを補うべく作られたものがTukubai というわけだ。
本特集では、Tukubai を使うと、どんなことができて、それはどんなふうに書けるかということがわかるレシピを紹介しよう。