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第7回 ストレージの可用性を高める(RAIDの概要)

「可用性」(Availability)とは、システム稼働を継続できる能力のことです。この可用性を向上するには、障害に対して強いシステムを構築できるかどうかにかかっています。
サーバーには、ソフトウエアによる障害以外にハードウエアによる障害もあります。ハードウエアの中で最も壊れやすいのが、機械部品(モーター)で動作する「ハードディスク」(HDD)です。HDDの経年劣化による故障は避けられません。一部のデータが読み出しにくかったり、読み出せなかったりと、部分的に故障するので、とてもやっかいです。
このように壊れやすいにもかかわらず、HDDはサーバー内の大切なデータを保存しています。大切なデータが失われてしまうと、システム稼働を継続できません。逆にいえば、HDDが故障しても大切なデータを失うことがなければ、システム稼働を継続できます。その方法として有効なのが「RAID」(レイド、Redundant Arrays of Inexpensive/Independent Disks)です。RAIDは、複数のストレージを組み合わせて、1台(または2台)のストレージが故障しても他のストレージによってデータを消失させない仕組みです(図1)。複数のストレージに同じデータを保存したり、データを修復するための「パリティー」を生成・保存したりして、データ消失を防ぎます。

図1 RAID(Redundant Arrays of Inexpensive/Independent Disks)