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第7回 ストレージの可用性を高める(RAIDの概要)

RAIDを制御・管理する三つの仕組み

RAIDを管理・制御する仕組みとして「ハードウエアRAID」「ソフトウエアRAID」があります。

マシン上に「RAIDコントローラー」という半導体(チップ)を搭載し、RAIDの全制御をRAIDコントローラーとコントローラー内のファームウエアで実現するのがハードウエアRAIDです(図8)。OS側からはRAIDの状態だけを監視するだけでよく、一つのストレージとして見えます。

図8 ハードウエアRAID

ハードウエアRAIDでは、コントローラー側だけでほとんどの処理が完結します。そのため、CPUやメモリーなどのリソース、OSへの負荷が小さく、高速に処理できるのが特徴です。

一方、ソフトウエアRAIDは、RAIDコントローラーなどの専用ハードウエアを必要とせず、ソフトウエアの機能だけでRAIDの制御や管理を実施します(図9)。LinuxやWindowsなどのOSにはソフトウエアRAIDの機能が備わっています。

図9 ソフトウエアRAID

ソフトウエアRAIDではOSがRAIDを制御・管理するので、CPUやメモリーなどのリソース、OSへの負荷が大きく、また処理は低速です。