前回は「tar」コマンドによる基本的なバックアップ方法を紹介しました。紹介した方法は、バックアップ対象となるすべてのファイルやディレクトリーをアーカイブ化して一つのファイルに保存する「フルバックアップ」です。このフルバックアップは、毎日実施するバックアップには向きません。バックアップに時間がかかりますし、日々のアーカイブファイルには重複するファイルやディレクトリーが数多く含まれてバックアップデータが肥大化する恐れがあるからです。
日々のサーバー運用管理では、フルバックアップだけでなく、「差分バックアップ」(Partial backup)または「増分バックアップ」(Incremental backup)を併用します。それにより、バックアップ時間を短く、バックアップ保存先の容量を無駄なく抑えられます(図1)。