バックアップを復元するためにアーカイブファイルを展開するときにもtarコマンドを使います。基本書式は、次のようになります。このコマンドを実行すると、カレントディレクトリーにアーカイブファイルの中身が展開されます。
sudo tar xpvf アーカイブファイル名
「x」がアーカイブファイルを展開するオプションです。「p」オプションと「sudo」コマンドを組み合わせることで、所有者や所有グループなどが、バックアップを作成した時点と同じ状態で展開されます。
アーカイブファイルを圧縮している場合、形式に合わせて「z」や「j」「J」なども指定します。ただし、Ubuntu Server 16.04 LTSでは圧縮形式を自動認識するので省略可能です。
それでは、先ほど作成したアーカイブファイル(ここでは、「backup-201810120920.tar.gz)を展開します。
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$ mkdir ~/backup $ cd ~/backup $ sudo tar xpvf /mnt/backup-201810120920.tar.gz |
この例では、「~/backup」ディレクトリーを作成し、その中にバックアップを復元しています。
今回は、tarコマンドを用いた基本的なバックアップと復元方法を紹介しました。tarコマンドは、バックアップを日々取得するための「差分バックアップ」や「増分バックアップ」の機能も備えています。次回は、この差分バックアップや増分バックアップを紹介します。
written by シェルスクリプトマガジン編集部(あ)