前述したようにSambaを手早く使うには、ワークグループの設定で動かすのがよいでしょう。Sambaの設定は「/etc/samba/smb.conf」に記述されています。既存の設定ファイルが存在しますが、10行程度の内容なのでそれを書き換えずに新しく設定ファイルを作ります。次のようにコマンドを実行してください。既定の設定ファイルを「/etc/samba/smb.conf.org」としてファイル名を書き換えてバックアップしてから、/etc/samba/smb.confファイルを新規に作成するためにnanoエディタを起動します。
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$ sudo mv /etc/samba/smb.conf /etc/samba/smb.conf.org $ sudo nano /etc/samba/smb.conf |
ワークグループで動かすSambaの設定は次のようになります。矢印以下に各行の説明を記しました。ワークグループ名は「SHELLMAG」に、共有フォルダー名は「share」にしています。共有フォルダー名は「global」「home」などのセクション名に使われる名前でなければ任意に指定できます。ホスト名は設定ファイルに書かずに、「/etc/hostname」ファイルに記された実際のホスト名(ここでは「shmag1」)が使われます。
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[global] ← 全体設定 workgroup = SHELLMAG ← ワークグループ名(SHELLMAG) dos charset = CP932 ← Windowsの文字コード(CP932はシフトJISの拡張) unix charset = UTF8 ← LinuxやUNIX系OSの文字コード(UTF8はUTF-8) [share] ← フォルダー名(share) comment = Ubuntu Server ← 説明 path = /var/share ← 共有サーバーに割り当てるディレクトリー(/var/share) browsable = yes ← ブラウズ許可(Windowsの「ネットワーク」などのホスト一覧内に表示) writable = yes ← 書き込み許可 create mask = 0777 ← ファイルに与えられるアクセス権(0777はすべてのユーザーに読み書きを許可) directory mask = 0777 ← フォルダーに設定されるアクセス権(0777はすべてのユーザーがフルアクセス可能) |
新規に作成した設定を反映するために、次のコマンドで二つのサービスを再起動します。
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$ sudo systemctl restart smbd $ sudo systemctl restart nmbd |
最後に共有フォルダーに割り当てるディレクトリーを作成します。誰でもアクセスできるように「777」のパーミッションを設定します。
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$ sudo mkdir /var/share $ sudo chmod 777 /var/share |