/boot、「スワップ」、ルート、/home、/varという順番に割り当てるパーティションを作成します。スワップは、メモリー不足になったときにメモリーの空き領域を作るためのデータ退避エリアです。ルートは、その直下に置かれたファイルおよび、分割した以外のディレクトリーとなります。まずは、ぞれぞれに割り当てるパーティションのサイズを決めます。サイズを決めるには、ディスクの総容量を仮定しておかなくてはいけません。ここでは、2TバイトのHDDを用いているとします。
/bootの容量は、カーネルと初期RAMディスクのイメージを合わせて200Mバイト程度です。ただし、カーネルをアップデートすると、古いイメージが残ったまま新しいイメージが格納されます。何世代か残しておいても問題ないように、/bootには1G~2Gバイト程度割り当てます。
スワップのサイズは、メモリーの同じまたはその2倍といわれています。最近のサーバーマシンなら大容量のメモリーが搭載されているため、同じサイズでよいでしょう。
ルートには、Linuxを動かすための設定や実行ファイル、アプリの実行ファイル、各種ライブラリ、ドライバなどが格納されます。ここで例にするUbuntu Server 16.04 LTSの場合、リモートアクセス環境を有効にしただけなら約1.6Gバイトの容量になります。一般的なサーバーアプリを動かすだけなら1G~5Gバイト程度多めに割り当てればよいといえますが、GUIによる操作環境が欲しいときは、8Gバイトといった大きな容量が必要です。どのくらい割り当てるかの判断はとても難しいですが、とりあえずは余裕を持って64Gバイトを割り当てます。
/homeと/varはサーバーの用途によって、容量を決めます。ここではシステム管理者しかサーバーを直接操作しない、多量のマルチメディアデータなどをホームディレクトリーに保存することはないとして、/homeには100Gバイトを割り当てました。残りはすべて/varに割り当てます。