もう少し工夫して皆で使えるようにしましょう。第4回で構築したファイルサーバーと連携させてみます。読み書き可能な共有フォルダにオフィス文書を格納し、参照のみの共有フォルダに変換したPDFファイルを保存します。
では、シェルスクリプトを書き換えましょう。/usr/local/binディレクトリの下に移動したので、管理者権限で立ち上げたテキストエディタを使います。書き換える行は、3~4行目です。読み書き可能な共有フォルダに割り当てたディレクトリは「/var/samba/share」、参照のみの共有フォルダに割り当てたディレクトリは「/var/samba/readonly」なので、次のように書き換えます。
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source_folder="/var/samba/share" destination_folder="/var/samba/readonly" |
書き換えたシェルスクリプトを保存します。シェルスクリプトは、自動実行の設定を登録したユーザー(自分)の権限で動作します。そのユーザー(自分)に/var/samba/readonlyディレクトリに対する書き込み権限がないので、次のコマンドで、/var/samba/readonlyディレクトリの所有者を変更します。
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$ sudo chown 自分のユーザー名 /var/samba/readonly |
これで完了です。ファイルサーバーにオフィス文書を保存して自動的にPDFファイルに変換されることを確認してください。ファイルサーバーなら、日本語ファイル名を正しく扱えます。なお、実際に運用する場合は、元のファイルを別のディレクトリに移動して保管したり、名前や元の文書形式で分類したりなど、シェルスクリプトを修正した方がよさそうです。
シェルスクリプトマガジン編集(あ)