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会社の価値を生むのは、外注先ではなくて会社自身! 「システム内製化シンポジウム」 レポート

この後、内製化を推進し効果を上げた企業であるコープデリ連合会の黒須喜則氏とTERRANET代表(元積水化学CIO)の寺嶋一郎氏が、それぞれ経験した内製化について講演した。

黒須氏は、コープデリにおける内製化、特にUSP研究所が推進するユニケージ開発による例を挙げ、これまでの六プロジェクトの実施を紹介した。

コープデリ連合会の黒須喜則氏

最新の例として詳細に語られた「ドーリー積込み箱順振り直し機能の内製」の例では、パッケージカスタマイズなら数百万円と見積もられた機能が、ユニケージ内製により1日で完成した事例を紹介。また、H/WのEOS(サポート終了)に伴うシステムリプレイスで、RDBを用いたシステムではリプレイスに準備・テストを含め1年程度かかったのに対し、ユニケージのシステムによる移行は3日間で完了したことを例示し、システム障害が無かったことと合わせメインテナンシビリティの高さを評価した。

寺嶋氏の講演では、積水化学時代に「業務を知りかつITを知った開発・運用が出来る強い新会社を目指す」をスローガンにCIO業務に取り組み、メールやイントラネット、グループウェアを内製で開発した例が紹介された。

中でも、内製化によりセキュリティ観点からの見える化の実現が図られた結果、社内ウィルスの撲滅に成功したとのこと。

デジタル時代のシステム開発の在り方として「モード1(SoR)とモード2(SoE)が自転車の両輪であり、片方に偏ることのない連携した開発が求められている」ことが強調された。

SoR:System of Recordの略。基幹系システムや顧客情報を管理するシステムなどが含まれる。
SoE:Systems of Engagementの略。顧客や企業など、ビジネスに関わる人々を繋ぐシステムのこと。